幼なじみの執事
第1章 幼なじみなのに

あたしだけの…



無機質で無駄に広い空間


つかつかと早足で、いつもの席につく。



「葵衣様、おはようございます」



低音の声が部屋に響き渡る。



「おはよ」



その態度に、いちいちイラつく。


胸元に置かれた手の位置

お辞儀の角度に

いつものセリフ。



口角だけ少し上がり笑みを浮かべる。


長めの前髪から見える目元は、微塵も動かさずに…



コンピューターでプログラム制御されてんじゃないの?


そんな言葉を浴びせたくなる。




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