幼なじみの執事
第4章 きみの影

届かない願い



「本当にゴメン…」




あれから春日部さんにメールや電話で何度か謝られたけど、10日ぶりに直接会うとやっぱり謝られてしまった。




「もう、いいよ。パパだって喜んでるし」




「こそこそしたくないって思ったら、突っ走っちゃって」




落ち込んでる様子を見るに見かねて、あたしは明るい声を出した。




「ママも会いたいから、今度家に連れてこいって言われちゃったし」




「ホント?うわぁ、緊張するなぁ」




そんな春日部さんを見て可愛いな…なんて思いながら、パスタを口に運んだ。




たあいもない話をして笑ってると、あっという間に時間が過ぎるのは……


きっと春日部さんと過ごす時間が楽しいからだよね?



心にそう問いかけてみるけど、答えは自分でもよく分からなかった。




< 99 / 180 >

この作品をシェア

pagetop