End of the Love 【短】
それからどのくらい時間がたったのだろう

眠っている私の横で
彼の帰る気配を感じた


彼は私を起こさないように
ゆっくりと自分の世界へ帰ろうとしている

まだ少し熱のある身体に
一気に乾いた空気がふれた




「夕陽、おやすみ」




そう言って触れるだけのキスを私に落とすと
部屋を出ていく足音が聞こえる

ドアを開け
現実世界に戻っていく彼




それと同時に頬を伝う涙

彼の鼓動

息遣い

体温

匂い


全てが私の感覚に刷り込まれた後


待っていたのは


恐ろしいほどの静寂と孤独だけ―――――






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