Cherry



車を走らせて



「次は?」



みーくんが聞く



「みーくんの家でカレー作ろう」



「了解」




キッチンで2人並んで
カレーを作る



「姫が泊まりに来た日すごいドキドキしてカレー作ったな」


みーくんが
ニンジンの皮を剥いて言う



「私もドキドキしてたよ」



「だろうな。寝込み襲いに来たんだから」



みーくんが
イジワルそうに言う


「あ~!それは言わないでよ」



顔が赤くなる私を

優しく見つめる



「あの夜…全然眠れなくて、でも姫が起きてきた気配して思わず寝たふりしてた」



「最初から起きてたの~?」



「うん。何かイタズラでもするのかと思ったら……ククク…」



みーくんが
堪えきれず笑い出す


「アゴにキスするんだから……ハハハハ……」


「あ~!もう忘れてっ」



恥ずかしいよ~


もうっ。みーくんのばか!



「無理だよ。姫の事、何一つ忘れない」


みーくんは
優しい目で言う



「……みーくん」



「あの時も嬉しかった…すごく」


「うん……」



思い出が



たくさん あふれていく………




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