Cherry



「休まないと翠まで倒れてしまうわ……」




おばさんは哀しそうに



オレを見上げる




「オレは疲れてない」




「何言ってるの。こんなに痩せて……食事だってとってないでしょう?」




そんなモノいらないんだよ




姫のそばにいたい




姫はずっと1人で苦しんでいるんだ




そばにいたい




姫のそばにいたい





「大丈夫。私しばらく、ここにいるから」




おばさんはオレの肩をつかんで




「帰りなさい翠」




「…オレから姫を捕らないで」




「捕らないわよ。わかったから。翠が南を大切に想ってるって……」




でも、オレは………



「でも南はいつ目が覚めるかわからないわ」




おばさんはオレを諭すように言う




「もしも……もしもよ……?」




おばさんは



ためらい ながら



話す





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