夢からなるキミへ

*月の涙*

ミズキが入院してから、僕は毎日のように病院に通い続けた。

ミズキに抗がん剤を投与してはいるが、ミズキは日に日に弱っていった。

12月になる頃には、ミズキの体調も優れる日はほとんどなかった。

僕はこの日も仕事を終え、いつものように会社を出て、ミズキの待つ病室へと向かった。

僕が病院に到着し、ミズキの病室の前までやってくると、病室のドアが少し開いていた。

僕はドアを開けようとしたら、ドアの隙間からミズキの様子が見えた。

ミズキは、隠し持っていた元カレのリュウゴから貰ったネックレスを手に取り、静かにじっとネックレス見つめていた。

その様子をドアの隙間から見た僕は、とても病室には入れなかった。

『ミズキさん…まだあのネックレス持ってたんだ…。まだ前の彼…リュウゴさんを忘れられないのかな…』

僕は待ち合い室の椅子に座り、複雑な心境で考え込んでいた。
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