暗黒ノ世界

「何でもいいからロボットに乗りたい」

 季節は夏。ある日の放課後5時。しかし夏にしては、ストーブを使わないといけない位に寒く、外も相当暗い。
 そんな中、雄太は何の前触れもなくそう言った。

「ロボットねぇ。そんなの何時でも乗る事できるだろ」

 身体を温める為に腕を摩りながら僕は言う。

「いや、何時でもは無理だろ。大体まだ出来てない」

「…出来てるじゃないか。車が。あれだって人が操作して動かす物だ。ロボットじゃない事ないだろ」

「おー寒い」と言いながら、僕は少し古い電気ストーブへと近づく。

「馬鹿だろ。大体ロボットって言ったらちゃんと手足があるもんだろ。俺が乗りたいのはガンダムみたいな奴だ」

 僕は「ふぅ」っため息をつくと、手を摩りながら言った。

「著作権的にそんな発言をしても良いのかは分からないけど、18歳にもなってそんな現実味のない妄想めいた事を言うな」

「別にいいじゃないか。そんな夢を持ったって」

「夢ねぇ。どうせ叶わない夢だ。どうせあれだろ。いつも妄想してるんだろ?」

 雄太は、少しムッとすると、僕の発言を否定するかのように喋り始めた。
< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop