泡姫物語
日曜日。

出勤時間の1時間も早くに着いて予約を確認するもまた別なお客さんで埋まっている。

藤田さん、どうしたの?どうして何も連絡くれないの?
やっぱりお見合いがうまくいっちゃったのかな。

この2日、仕事も評価はいいけどうわの空。
全然眠れない。メイクでクマを隠して愛子にも心配されないようにした。

せっかく修とうまくいって幸せの絶頂なのに私のことで悲しい気分にさせるなんてこと出来ない。

「友紀……藤田さん、体調でも崩したんじゃないかな。今風邪が流行ってるみたいだし」

「うん、そうかもしれないね。愛子にまで心配かけてごめん。私は大丈夫だよ」

愛子にはバレるかもしれないけど作り笑顔で平気ぶってみた。
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