ムーンライト・リヴァース
変わるっていったって…。

校門を出た後もひたすらついてくる。

このままじゃ、いつも行ってるゲーセンもカラオケも行けないと思った。

「篠原さん、いつも一人?帰る道一緒の方向だよね?」

大通りに出ると水木は帽子を取り出した。

「………。」

「あっ、これ?いや、顔見られると困るからさ。俺一応芸能人だし。」

「…。」

今日はまっすぐ家に帰ったほうがよさそうだと判断した私は、駅へと向かった。

「やっぱり、まっすぐ家帰るんだ。ねぇ、カラオケとか行こうよ!」

へぇ、外見だといい子ちゃん風に見えるんだ…。

まぁ、そのほうがいいと思った。

本当はしょっちゅう駅前のコインロッカーに私服を詰めて、トイレで着替えて夜中まで遊んでるっていうのが私の正体なんだけどなぁ。

「まさか、カラオケとかいったことないなんて言わないよね?」

「………。」

「じゃあさ、行こうよ。」

「ねぇ君…。」

私は睨みつけるように水木を見た。

「はっきり言ってウザいんだけど。」

「……。なんだ、喋れるじゃん。」

私はその返事にあっけとした。
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