それは、輝く星空のように

茶番

「先程は失礼しました・・・」


『いえいえ、別にかまいやしませんよ、自分は』


七尾家を出た後、智徳は電話をかけていた。


相手は、先ほどの暴力団員。


「申し訳ありません、こちらとしても、なるべく穏便にやりたいので・・・」


『いえいえ、それで、ちゃんと奴さんには取り入ったんでしょうね?』


「ええ、それはもう・・・」


頭を下げるべき相手が、違う。


本来なら、その頭は彼女たちに下げるべきだ。


「では、失礼します・・・」


通話を切る。


「クズが・・・」


智徳は、内心で己を忌み嫌い、軽蔑した。


そうしなければ、まともな状態でいられない。


大切な人たち。


彼女たちを騙して、自分は金を得ようとしている。


最低の人間だ。


何故、こうなったのか。


恭介から電話があったのは、3日前。


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