消えた願望
式は挙げなかったけど私達は結婚した。嫌な事全てー忘れる事、許す事は出来ないけど、新しく楽しい幸せな願望を増やして行こう。愛する人がいると強くなれるんだね、義母さん。電話が鳴る。 「蘭?お母さんだけど………さっき」 「ん?」 「…お父さんが亡くなった。癌だったからね…」 「そう」 「帰って来られる?」 「嫌です」 「そ、そう。とりあえず知らせようと思って。じゃあ…」 電話を切って私は大きく腕を上げて伸びをした。 「やっ…………たぁー」 神様、仏様ごめんなさい。喜んでごめんなさい。この世の中で一番嫌いな人がこの世からいなくなりました。喜んでいる私は最低な人間でしょうか?ばちがあたるのは嫌なので最後に。 私がこの世に 生まれたのは 父のおかげでも あります ありがとう あなたのおかげで あなたの様な 人にならないと 決めました ありがとう 清々しい気分。私はきっと。 《何かから、か・い・ほ・う・さ・れ・た》
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