大好きだった
「翔…ちゃん…」


「ん?」


「私…家に帰る」


【別れよ】なんて自分の口から言いたく無かった。


「今日?」


「うん」


「何で?」


「何ででも」


「親から電話でもあった?」


首を横に振って「違う」て言うと


「じゃー何で?今日イブなのに?」


溜め息混じりに翔ちゃんが言った。


「翔ちゃん、家に戻る…私もう…翔ちゃんの家には戻らないから…みんなと、ご飯食べてあげて?」


「は?意味わかんねぇ」


「意味わかんない?翔ちゃん名古屋から帰って1回も、家でご飯食べて無い…私がいるからでしょ?」


「……」


「翔ちゃん、変わったもん、名古屋に行って変わった…もう翔ちゃんと居たくない」


私は翔ちゃんの家を飛び出した。


翔ちゃんは、私の腕を掴んで「待てよ」て言ったけど


「離して」私の口から冷たく吐かれた言葉で翔ちゃんの手の力が弱くなった。


「バイバイ」って言って


家まで走った。
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