秘密~「ひみつ」のこと
和徳が生まれて、
俺がこんなに
喜んでるっていうのに、
父さんも、
母さんも、
何か、
変だった。

幼心にも感じた、
不安。

母さんは、
和徳が泣いても、
なかなか抱こうとしなかった。

父さんはさ、
家にはあんまりいないし、
子供には無関心。

でも、
なんか違う。

空気のように無視するっていうか、
気にも留めない感じ。

仕方ない、
俺が、
こいつの側にいる。

幼稚園から帰ると、
真っ先に、
和徳の様子を見に行った。

俺の大事な弟。

仲間。

兄弟。

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