秘密~「ひみつ」のこと
「サキ、何やってんだぁ~ヨッシー泣かせてぇ~」

カズが来た。

良いとこ来たよ、
カズ、
助けてよ、
あたしゃ面倒見切れないよ!

「俺、マユのこと、好きなんだよぉ~」

ヨッシー、
泣き止む気配なし。

「お前なぁ、俺らにそんなこと言ってもだなぁ、本人に言わなきゃ、どうしようもないぞぉ」

そうそう、カズの言う通り。

「だいたいだなぁ、お前はいつも、チャラチャラ軽口ばっかりだから、女が逃げるんだよ!」

カズ、
それはちょっと、
言いすぎでは?

「十円ハゲの話だってよ、あれ、作り話だろ?」

えっ?あれ、嘘なの?

もしかして、ウケ狙い?

「俺は、お前が肘の故障で、球、投げれなくなったって聞いたぞ!」

嘘?
そんな、
深刻な話だったの?

「ホントの自分隠してたら、信用されなくなるぞ!」

カズの言葉に、
あたし、
慌てて
教室抜け出して、
マユを探した。

マユ、
あんた、
何処?

マユ、
あんた、
ヨッシーのこと誤解してない?

早まんないで、マユ!

いた!
グランドに。

見つけた!
コウジとマユの姿。



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