秘密～「ひみつ」のこと

「あたし、サキに再会して、サキに受け入れてもらって、嬉しかった。でも、こんなに幸せで、子供を捨てて、不倫して幸せな家庭を壊したあたしが、こんなに幸せでいいのかって、どこかで自分を許せないでいたんです。なんか、居心地悪くて」

「運命なんだもの、仕方ないのよ。それに、あたし、幸せよ。あなたが気にする必要ないわ」

「本当ですか？」

「あなたが、あたしを家族って認めてくれたら、もっとねっ！」

「あたし、翔一さんを愛してます。サキのことも。生まれて来る子も…翔一さんが言うように、皆が幸せになることがあたしの望みです」

「じゃあ、契約成立ね！」

「あたしの望みも、あなたを含めて、皆が幸せになることよ。だから、あなたも、気兼ねなく幸せになって！」

「ふうっ、安心したら、お腹すいちゃった。ここのランチ、美味しいのよ。デザートもっ！」

「優子さんて、素敵です」

「あら、ありがとう。あなたも、素敵よ。翔一もさすが、目が高いわ」

「なんか、くすぐったい…」

「取り合えず、手始めに、あの家に越すことね！子供が生まれてからじゃ、慣れるの大変よ！」