秘密~「ひみつ」のこと
『夕飯ご一緒に!』って、
お母様のお誘いを丁寧にお断りして、
カズの家を出た。

『今度は是非、夕飯食べていらしてね!』
って、約束させられた。

男は質より量で、
料理のし甲斐がないんだって。

繊細な味のわかる、
仲間が欲しかったのだそうです、
お母様は…

あたしとお母様のやり取りを、
カズは嬉しそうに眺めてた。

あたし、
カズの家押しかけて来て、
良かったのかもなぁ、
って、ちょっと思ったよ。

あたしの家までの、
遠回りの帰り道、
二人、
手をつないで、
歩いた。

さっきの、
男の顔したカズはもう何処かへ消えて、
いつもの、
馬鹿噺して笑わせる、
明るいカズ。

でもさ、
さっきの熱いカズも好きだよぉ!

カズが勉強集中できるよう、
あたしも我慢する!
学校でも、
クラブでも会えるしさぁ~

はぁ~
でも、恋しいよぉ~

そうだ、
あたし、
パパに頼んで携帯買ってもらおう!
そしたらさぁ~
いつでも、
カズの勉強の邪魔せず、
メールで連絡できるじゃん!

なんか、
あたし、
17歳にして初めて、
恋する女の
携帯依存症って、
気持ち分る気がしてきたよ!






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