秘密~「ひみつ」のこと
運良く、
生まれたばかりの里子が見つかった。

名前は「咲」。

色の白い、
綺麗な顔の女の子。

ひと目で気に入った。

何でも、
未婚の母で、
経済的に育てることが難しかったらしい…

養女の申し出にも、
二つ返事で了承してもらえた。

サキは本当に可愛い赤ん坊だった。

よく笑い、
よく動いた。

最初に発した言葉は、

「マ・マ」

嬉しかったなぁ~

母乳をあげれなかった以外は、
自分の子として大事に育てたつもり。

最初の一年は、
仕事休んで、
あたし、
子育てに専念した。

その後も
会社勤めは辞めて
教職の道に転換した。

だって、
その方が、
サキと一緒の時間
作れると思って。

旦那も同じ。
サキを本当に可愛がってた。

お風呂入れたり、
公園で遊んだり…

あなたは、
毎晩、
サキの枕元で
お話読んで聞かせてたよね。

サキの口癖は、
「パパは?」

あたしと二人だと、
いつも、
パパを探してた。

「俺と二人の時は『ママは?』って言ってるぞぉ」
あなたは、そう言ってたけど…

あたし、
家族三人、
いつまでも一緒って、
信じてた…









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