秘密~「ひみつ」のこと

父 正徳

結婚に興味はなかった。

『社会人として、結婚して子供くらい持たないと社会的信用が得られない』

両親、
上司、
あんまり回りがうるさく言うので、
仕方なくお見合いした。

容子を見た時、
こいつなら、
一緒に暮せるかもしれない…
そう、
思った。

容子は
控え目で、
そこそこ美人で、
口数が少なかった。

うるさい女は、
嫌いだ。

色目を使うやつも。

容子は
妻として、
申し分ない。

たった2回のデート。

セックスだけして終わった
ハネムーン。

あいつは
文句ひとつ言わず、
俺についてきた。

幸か不幸か、
あっけなく出来た、
ハネムーンベビー。

これで、
俺のお役目は終了だな。

容子、
あとは子供と睦まじくやってくれ。

家族を養う責任は果たす。

でも、
夫としての役目は、
これまでにして欲しい。

もともと、
結婚になんか、
興味はなかったんだ。

あいつだって、
俺のことが好きで、
一緒になった訳でも
あるまいし…

俺が、
女なら、
『結婚は契約だ』
って割り切るな。

俺は
家族という
器さえ
あればいい。

それ以上は
望んでいないんだ。



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