カナル
06: 平行世界
ルカへ

もしこの世界が誰もいなくならない世界だったら。

私は君とずっと一緒にいられたのかな?

そうだったら私はとても嬉しいよ?でもそれで良いのかって思う。

つまり何が言いたいのかって言うとね。

私は君の帰りを待つ立場になって良かったって事。

君が旅立って良かったって意味じゃない。君を待つ楽しみが出来たって事かな?

もし立場が逆転したら、私は君の元へすぐに飛んででも行ってしまいそう。

こうやって楽しみになるって考えると、今までの悲しみがウソみたいに消えるね。

でも君が旅立つのを見送った事までが、楽しくなるって訳じゃないんだよ?

それだけは勘違いしないでよね。

だんだんこの手紙も短くなってきちゃったな。君の事を忘れたくないのに、忘れているようで怖い。

あ、そうだ!今日はね、君の好きなチョコクッキーを焼いてみたの。もちろん食べるよね?
< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop