迷子のコイ
Act1. 迷い
「アイリ、あんたまた
カレシと別れたって!?」


みんなが
おもいおもいに
話しはじめる
お昼休み、
あたしの前で
お弁当を広げながら
『ナギ』が話しかけてくる。


「うん、そう」


悪びれた様子もなく、
ピンクのお弁当箱をあけながら
あたしは答えた。


「はぁ~・・・。
 またこの顔にダマされた被害者が増えたかぁ~。
 今度は少し続くと思ってたのに!
 ・・・で、どれくらい続いたっけ?」
 


「・・・3週間」


卵焼きを ほおばりながら
あたしは答える。


「新記録じゃん!」


そう言って
あたしのお弁当に入ってた
ダイスキなシュウマイを
ナギが
自分のフォークにさして
パクッと食べた。


「あっ、ちょっと!」


あたしは思わず
ナギをにらみつける。


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