“逆”チョコレート大作戦!!
「“しょうがない”…じゃねぇだろっ!!“ホワイトチョコ”で作った“ガトーショコラ”なんて…俺、食ったことねぇしっ!!っていうか聞いたことねぇよっ!!」



「俺も初めてっす…。っていうか俺、お菓子作んのが今日初めてなんで…聞いたことあるとかないとか全然分かんないんっすけど…」



「だよな?だったら…」



「でも…」



「ん?」



俺はボールの中身を見つめながらボソッと呟いた。



「俺…作んなきゃいけないんっすよ。菜々美の為に…いや、俺の為に。」



「結城…」



「あの日、オヤっさんと約束したんっす…。心を込めてガトーショコラ作って…それと一緒に俺の気持ちを伝える…って。」



「あぁ…」



「だから…」



「よしっ!!」



バシっ!!



「っ…!!」



いつの間にかキッチンの前へと立っていた工藤サンは突然、思いっきり背中を叩いてきた。



「って、危ないじゃないっすかっ!!」



そしてボールを落としかけて怒る俺とは逆に、振り返った工藤サンは、



「さっさと作るぞっ!!味は保証しねぇけど…」



「なっ!?」



ニコッと満面の笑みを浮かべてきた。



……。



「明日…」



「は?」



「間違いなく吹雪っすねっ。」



「なんでだ?」



「いや…なんとなく?」



「あっそ。」



そして2時間後…



「でっ…出来たぁ~!!」



「よく頑張ったなっ!!…色は微妙だけど。」



「ほっといてくださいっ!!」



鬼…いや、工藤サン指導のもと、



俺はなんとかガトーショコラのようなモノを完成させた。

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