鬼畜王子の飼育方法

でも……。


今となっては、その可能性も無くはない。


いや、むしろ、そうなる可能性のほうが高いんじゃないかって不安になる。



「お父さんには幸せになってもらいたいけど、新しいお母さんなんて嫌だよ」



弱々しい愛梨の声。



けれどそれはたぶん、私も含め、子供たちみんなの本心だと思う。


お母さんを失って、まだ年月も経っていないのに。


新しいお母さんです、なんて紹介されて、私たちにどうしろと言うのか。





「でもさ。まだお父さんに事実を聞いたわけじゃないんだし、しばらく様子を見ようよ」



不安を隠し、俯く愛梨の背中を優しく撫でる。



だけど本当は…。



この先の未来が、不安で不安で仕方なかった。