【詩集】花*風

桜の雨


【桜の雨】

この木の下で
別れを告げられた

あまりにも突然で
涙すら出やしない

思い出詰まった
この場所のこの木は

凛と背を伸ばして
行く末を見守るだけ

あたしの変わりに
悲しんでくれているのか

新たな門出を
祝しているのか

空から舞う桜は
朧気な涙のよう



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