【詩集】花*風

雷雨


【雷雨】


突然に広がる
黒い雲

早く帰らなくちゃ

けれど
風の速さは一瞬にして
滝のように降りしきる雨

掌を頭に掲げているうちに稲妻の光が目の当たり

寒さよりも怖さよりも
守らなければ

我が胸に抱える
小さな命

大丈夫
怖くないからね

泣き叫ぶ赤子を守るため
懸命に走り抜く



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