嘘恋
「藤沢さん俺今日材料取りに一度うち戻ります。来週は日曜日しかこれないから。今日、モノいれちゃって、もし自分でも進めちゃうなら進めちゃってかまわないんで」

「いいよいいよ、次くるときでさ」

「いや、いくら片手間とはいえ、時間あるときになるべくやっとかないとやばいから」

朋久は、2時間くらいで戻りますと、出て行く準備をする。

「ねー、ちょっと待ってて!」

千恵が朋久を止める。

そして 急いで 隣の 沙織を呼びに行く。

「おばさん、おはよ!さおいる?」

「早いなー、千恵ちゃん。部屋にいるんじゃない?」

沙織の母親は、2階を見上げる。

千恵は お邪魔しますと、慣れた足どりで沙織の部屋へ入る。

沙織は まだ ベッドの中で、夢見心地………。

「起きろ起きろ、オキロ!!!」

沙織は、千恵の声と揺さぶりに 驚き 悲鳴をあげる。

「な、なに!!!あさからっっ」

「早く、着替えてうちきて!いい?はやくね。10分しか待たないからね」

それだけ マシンガンの様にしゃべり倒すと また 自分の家へと戻る。

庭先には朋久が、千恵の家の犬 カリーナ と 遊んでいた。

「ね。なんでカリーナ?アハハ。うける」

「お父さんが付けたんだよね」

「しゃれてんな。アハハ」

朋久は、俺 もう行くよ。遅くなっちゃうからさ。
…と 言って 車に乗り込み エンジンをかける。

「ちょっと待って!5分でいいから」

不思議そうな顔つきで まぁ たかが 5分 10分 いいか…

タバコに火をつける。

「千恵ちゃんは彼氏いんの?」

「いないよ」

「つくらんの?」

「募集中です」

「しょーかいしようか」

「カッコイイひとならねー」

朋久は 笑いながら イケメンの友達は イケメンだよ と 自ら言う。

「自分でゆうかー?」

「アハハ。嘘、嘘。冗談」

そして 5分後、千恵の家に 沙織が登場。

「あらら、オハヨー」

かくして。

何故か 朋久は二人を乗せて 一路 世田谷へ向かうことになった…。
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