砂嵐のいたずら〜バレンタイン特別編〜
マンションに帰ると、部屋の中に甘い香りが漂っていた。
そーっとキッチンを覗いてみると、マナがケーキ作りに没頭していた。
周りのことなんて見えてないといった感じで、焼き上がったケーキ生地に何やらコーティングをしている。
恐らくあれは…
『でーきたぁ!!!』
完成を喜ぶマナは、まだ俺が帰ってきていることに気づかない。
足音を立てないように近づくと、
ふわっ…
後ろから優しく抱きしめ、耳元でそっと囁いた。
「ただいま…」
『きゃっ、やだっ!チャールズいつの間に帰ってたの?』