Lemon Drop
『・・・恋ってなんだか甘いだけじゃなくて・・・辛くて酸っぱいね』


七香がその言葉に頷くことしか出来なかった。


・・・だって本当にそうだ。

いつも遼先輩の視線の先には七香がいる。その視線は恋愛感情からくるものじゃなくて心配だからってコトくらいわかってる。


でも・・・人のキモチはわからない。その視線の先を見る度に切なくなる・・・



『私・・・たぶん目も赤く腫れて酷い顔だと思うから・・・緑、先に教室戻ってて。

・・・側に居てくれてありがとう。』


七香の微笑んだ顔は無理してるものではなかった。


もう少し側に居てあげたかったけど・・・

七香がそう言うならしょうがないか・・・


「わかった・・・先に戻るね」


私がそう言うと七香は少し笑って、じゃぁ後でねって言って屋上を出て行った。

「はぁ・・・七香元気ない・・・どうしたらいいかな・・・」

「前に佐織が言ってた双子の妹さんのコトも言い忘れちゃったし・・・」


でも・・・今の七香は私の話聞いてくれなさそう・・・




1人いろいろ呟きながら教室に戻った。
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