Lemon Drop
『た、たまにはだよ〜!
そ、それに誤解されちゃうから・・・』

あの女の子に。


私は出来るだけ緑に心配をかけさせないように曖昧に答えた。



・・・本当は会いたい。

でも早く諦めるには会わない方がいいのかもしれない。


緑は特に何も言わなかった。


『そっか。じゃ、食べよ!お腹空いちゃった〜』


さりげなく気を遣ってくれてる気がする・・・

でも今はそっちのが楽だな・・・


緑がお弁当を広げたので私も広げようとしたら


ガラッ


閉まっていた教室の扉が突然開いた。


教室に居たみんなが扉の方を凝視するから私も気になって目を向けた。



え・・・陽先輩・・・



私は慌てて俯き隠れようとしたけど陽先輩は直ぐに私の方に歩いて来た。


周りのクラスメイトが息を飲んで様子を見てる・・・


「七香」


私は陽先輩の声にビクッと体が反応してしまい俯いてた顔を思わず上げてしまった。


『な、なんですか?』


かなり動揺していた私は必死に平静を装って聞いた。

「何で来ないの?」


陽先輩は若干不機嫌そうな声で・・・でも無表情で聞いてきた。
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