ホワイトデーまでの賭け(短編)

俺は自分で言うのもなんだが、至って真面目な部類の人間だ。


琴絵の事を心から愛し、彼女が苦しい思いをしてこの世に送り出してくれた2人の子どもたちもなにより大切にしている。


携帯電話には無理矢理撮った家族の写真を大切に保存してある。



でも、大事な時にあなたはいつもいないと言われてしまったら、言い返す術は何もなかった。



大切な家族を支える為の激務な仕事に耐えるのは容易なことではなかったが、その家族からの疎外感は俺の心をぶち抜くのには充分過ぎる程の理由だった。





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