あたしのヒーロー
「ん、解った。
ありがとう恭ちゃん」
「え…?
おー……?」
もう“幼なじみ”にすら戻れないよ。
恭ちゃんの前で演技なんてできないから。
だけど、今だけ…
最後くらい笑顔でいさせて……
「今までありがとね?」
頑張れ。
「恭ちゃん、あたし先に帰るね。
明日も…明後日も……っ」
もう待たない……その最後の言葉が出てこない。
駄目っ…泣くなあたしっ。
「じゃ…ね…」
あたしはそのまま走り出した。