あたしのヒーロー
「本当は…怖かったんだ」
ゆっくりと、あたしを抱きしめたまま恭ちゃんは話し出した。
怖いって、さっきも言ってたよね…?
「知里に触れたらもう戻れないのは解ってたから…
ずっと、我慢してた」
「我慢…?」
「俺のものにしたくて…でも、本当の俺を知里が知ったら…」
嫌われるんじゃないかと思ってた…
そう話す恭ちゃんに、あたしは大きく首を左右に振る。
「知里に告白されて、本当は飛び上がるくらい嬉しかった。
だけど…そっけないフリをした」