妹なんていらない

｢そういえば、高橋くんはどうしたの？

私は朝からシフト入れてたからバイトなわけだけど…｣



｢いや、それには深いようでおそらく深くないわけがあって…｣




―事情説明中―




｢ふぅん、美波が…ねぇ｣



｢ひどい話だろ…｣



｢そういえば私が家を出るときには美波、もう起きてたなぁ｣



｢そのとき何かなかったか…？

美波の逆鱗に触れるような何か…｣




すると、雨宮は少し考えるような仕草をし、それからニヤニヤと笑い始めた。


何だ。


何をしやがったんだこいつは。



｢ねぇ、高橋くん｣



｢ん？｣



｢女の子にはね、いろいろあるんだよ｣



｢………は？｣



｢はい、サービスしといたから｣



そう言って雨宮はニコッと笑って頼んでもない、モーニングセット、とやらを俺のテーブルに置いた。