妹なんていらない
「………」




頬を染めたまま、自信なさげな瞳を潤ませる。



美波は、ため息をついたり、うなったり、物に当たったり…いや、おい、俺の参考書を投げるな、危ないだろ。




「ラブレターは明日の朝、靴箱にでも入れといて、お前は告白のことを考えろ」



「………うぅ」




いや、だからさ、さっきからちょくちょく泣きそうになるのやめてくれないか?



結構良心が痛むんだが…




「お前さあ…」



「だってだってだって…

結城くんを前にしたら何も言えなくなるし………」



「お前、よくそれで告白するって言えたな………」



「す、好きだから…別にいいでしょ?」




たしかに構わない。



構わないのだが………


そんな状態で告白させるのはちと、罪悪感がな………




「………よし。

とりあえず告白の練習だな」



「え?」




美波が、キョトンとした表情で俺を見た。




「本番で成功するには練習あるのみ。

ほら、俺も付き合ってやるから、練習するぞ」




そう言って、俺は美波の手を引き、立たせてやった。
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