会いたいよ…
考えことを
しているうちに
ミーティングは
終わりを告げていた
ようだった。


授業までの
わずかな時間。
せわしなく行き交う
人の波に
身をまかせていると
一人、防波堤なる
存在に気付き
足を止める。


「どうかしました?」
さっきまで
礼儀正しく
頭を下げていた
鈴木さん。
ついつい
世話好きな
性分から声をかけてみる。

「えっ…と、あのぉ
 35J教室って
 どこでしょうか?」
この子の教育係は
誰なんだろう?
新人には必ず、
一年以上勤める講師が
教育係として
手とり足とり
教えるきまりになっていた。


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