赤の疾風
この時、萬天の脳裏には、一人の少女の姿が浮かんだ。
金色の髪の、青い瞳の少女。
異国の血を継いでいても、とてもたおやかで優しい、梳菜の姿を…。
彼女のような人間に、なれることならなりたかった。
だが願ったところで、妖怪は人間にはなれない。
そして……、
―――拙がこのような様であると知れたら、梳菜はきっと恐がってしまうな。
“天狗”という運命が、萬天と梳菜の間に大きな溝を生み出した。
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