赤の疾風


自分と母親を捨てた男が、

少しでも、自分と母親を捜してくれているのではと期待した男が、


人殺しと知った子どもは、


一体どんな気持ちなのだろう。



「……お、ぶっ……!!」


そこで、梳菜の手が口から離れた。

自然と、口の中に溜まっていたものが溢れ出し、


―――……死……?



梳菜は、完全に意識を手放した。




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