もう一度 笑って
でも盛大な音をたてて
下に落ちていったのは








朝倉だった







あたしは階段の上で
四つん這いになって


両手の平を床にぶつけた痛みを
感じていた




「だ、大輔くん!」





智世が叫んだ







あたしは頭をあげると
階段の下に目をやった




ゆっくりと階段を下りていく智世の
身体が邪魔でよくわからないが




朝倉は動かなかった










起き上がる気配も全くなかった
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