年上彼氏は看護師さん

真実

俺たちは朝里を引き取った事が間違っていたのか。


俺たちは真実を知る必要があったのか。



美沙がこの家に戻って来る事は二度となかった。



俺はたとえ真実を知っても、朝里を手放したりしない。



それは誰よりも深く朝里を愛しているから。



俺は真実を知らなければならないと思った。



朝里の実の母親須藤公美、そして朝里の父親は誰なのか?



朝里の実の父親をどうしても知りたかった。



俺は下村病院へ向かった。


訪ねる前に電話を入れ、医院長に会いたい事を伝えた。



医院長室に通された。



宮本さん、「あなたがきっと訪ねてくると思っていましたよ。」



穏やかな表情で下村医院長が話し出した。



「美沙ちゃんの具合が又悪いようだね。


その事で宮本さんは来られたのかな?」



もしかして下村医院長は何もかも知ってるのだろうか。



『今日伺ったのは、朝里の実の親の事なんです。


朝里の母親は須藤公美もう亡くなっていますよね。


じゃ朝里の父親は誰なんですか?』



下村医院長は俺を見ず俯く。






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