俺様!何様?執事サマ!?
「昨日、爽に電話して今日行くって聞いてん。やっぱり、このままなんて嫌や」
櫂が私を見つめる。
少し茶色がかった、意志の強い瞳。
「好き同士なのに離れるなんて、納得いかん」
やめて。
「…………離れなきゃいけないときだって、あるよ」
「そんなん、ないわ」
櫂の言葉は、心に響いて
「ほんとに好きなら壁ぐらいふたりで乗り越えればええねん。あきらめんな、愛ちゃんのあほ」
私の体を、動かすから。
だから
やめて。