俺様!何様?執事サマ!?




お嬢様……。




普通の男は自分の彼女のこと「お嬢様」なんて言わないよね、うん。




……じゃあ、あれは、何だ。




恋人同士じゃなくてもキスするのか。

それは、なんか、乱れたもんだなぁ、日本も。




そんなことをしみじみ感じていたら、お姉さんと男の人は門の中に入っていってしまった。




私は重くため息をつく。

あぁ……いろいろ聞きたかったのに。




なんでネクタイの色が違うのか、とか。

ふたりの関係は何なんだ、とか。

どうしたらそんなにキレイになれるのか、とか………。





……これはあれですか。天からのお告げですか。

「さっさと門の中入っちまえ」っていうお叱りですか、神様。




「まあ、うだうだ言ったってどうにもなんないしなぁ……」




うん。

行きますか。





深呼吸をして、前を見る。



遠くに見える大きい建物。今日から私が通う学校だ。





「よしっ!!」





大いなる一歩を踏み出した、その瞬間。






「「「「きゃあぁああぁああーーっ!!!!」」」」






黄色い叫び声が辺りに響いた。




< 5 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop