water song(みずうた)

04-05.娼館と旅立ち

ミゲルの案内で到着した店の前で、セリは冷ややかに一言言った。

「最低ね…」

「そう言われると思ったけど。だから、ミゲルさんは此処に案内したく無かったんだよね」

まだ昼の遅い時間のため、店は開いていないようであった。

まぁ、つまりは、夜に営業する店…という訳だ。

念の為いうと、酒場では無い。
(酒も出しはするだろうけど…)

「取りあえず、こうしていても仕方無いし、裏に行くよ」

ミゲルの言葉に、本来の目的を思い出し、私は後に続く。

セリも、更にブツブツ言いつつ、私の後ろから歩いてきた。
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