water song(みずうた)
皆から疑いの眼差しで見られ、ゼルドさんは、あからさまに傷付いた顔になった。

「このボク自慢作、"コッチコッチ、デモマチガッタラゴメンネ、アハハ☆"くんを疑うとは…皆さんヒドいね」

(えーと、どこから突っ込むべきだろうか…。)

「名前長いです」

(そ、そこなの?セリ…。マチガッタラ〜のくだりでなく?)

「じゃ、"アハハ☆ツカマエテゴランヨ、コィツゥ☆"くん」

(既に道案内する気すら無いよそれって…)

恋人達の戯れは、余所(ヨソ)でやって頂きたい…。

「短くなって呼びやすくなりましたね」

ボケ倒すセリ。

額に手をあて、頭痛を堪えるような仕草をするミゲル。

「何くん、でも良いけど、それでソレは大丈夫なのかな?」

「今のところ、誰からも文句は言われて無いね。クレームが出たの、今回が初めてよ」

(それは使われて無かったから…とか?)

ビービー!

突然、…えーと何くんだっけまぁいいか…ゼルドさんが手にした羅針盤から、けたたましい音が鳴った。
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