water song(みずうた)

04-02.困惑と侍女

サラサラでツルツルとした、シーツで目覚める。

(…?)

いつの間に、宿屋のシーツがグレードアップしたのか?と思いかけ、街長の屋敷に連れて来られた事を思い出す。

頭痛はだいぶ収まっていたが、中央広場の噴水での事を考えると、やっぱりひどくなる。

自分の事を考える時と同じだ。

ガルンが居て、落ち着いていた心。

それが、彼という重りを失い、不安定さを増しているのが、自分でも感じる。

(ガルンに)

「会いたい…」

思わずもれた言葉(ヨワミ)を聞きつけたように、部屋の扉が開いた。

「おや、お目覚めだったのですね」

前回と同じセリフと共に、扉から街長が入って来る。

私は、ピクリと体を震わせた。
街長は、ベッドまで歩み寄ってきた。

私は、ベッドの端へと下がる。

「それ程警戒しなくて大丈夫ですよ。街民達はともかく、ワタシは貴方と仲良くしたいと思ってますからね」

意外な言葉に、マジマジと街長を見返す。

「信じられないのも無理ありませんね。昨日は、警備兵が居たのであんな態度でしたが」

街長の昨日より柔らかい話し方に、私は戸惑う。

「さて。それより。」

街長が言ったとたんに、再び部屋の扉が開いた。
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