BLUE

柔らかないい匂い
耳元でささやく静かな声

「アオ…」


―モモちゃん


「どうして…?」



「アオ………

行かないで…」


モモちゃん?


「行かないでアオ

俺の…そばにいて…」



そう言った声は少し震えてた


「モモちゃん…」


あたしはモモちゃんの手を
そっとにぎりしめた




肌寒い夜にモモちゃんの
温もりだけが感じられた

< 111 / 132 >

この作品をシェア

pagetop