出会う確率の方程式
「君がアダムだ!」

ユウヤは楽しそうに笑い、

「つまり…ミュータントは、突然変異で生まれた訳ではない。君の子どもだから、ミュータントになるのは、当然だろ?」



「勇気くん…」

あたしは気付いていたけど、鈍感な勇気は…。

心配そうに後ろから、勇気の顔を見上げた。


「そうか…」

勇気は呟いたけど、あまりショックを受けていないようだった。

「だとしても…俺は、運命を変える!」

勇気は一呼吸を置くと、あたしを庇いながら、一歩前に出た。


「残念だけど…」

ユウヤは銃口を向けると、

「運命を変えるのは、君じゃなく…僕だ」
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