桃色ドクター
「どこが?雅也のどこが好きなの?」
「わかりません。でも、ほっとけなくて」
恵理は、携帯の待受画面を見つめたまま、呟くように言った。
「いつから?」
「わかりません。でも、香織先輩から初めて紹介された日から・・・・・・ずっと気になっていました」
私も見る目ないな。
恵理のことわかっているつもりでいたのに、何もわかっていなかった。
恵理は嘘が得意だった。
悪気のない嘘。
優しい嘘に騙され続けていた。