桃色ドクター



「待てるか?」





待てと言われれば、従順な犬のようにいくらでもお座りして待ってます。



でも、それが瀬名先生の幸せかどうか、私にはわからない。





「待てない」


消えそうな声で答えた。






「また会いたい」




「会いたくない」





私は窓の外を見つめたまま強い口調で言った。






「帰したくない」




「もう帰りたい」







涙がどんどん溢れてきた。









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