粛清者-新撰組暗殺録-
第二幕
新撰組が結成して、半年が過ぎようとしていた。

総司や斎藤といった各隊士達も新撰組での共同生活に慣れ、寝食を共にする事で結束も生まれつつあった。

そんな中、隊士達の間で二つの噂が流れていた。

一つは近藤勇と勢力を二分するもう一人の新撰組局長・芹沢鴨の噂。

彼は総司や斎藤、土方らと同じく新撰組創成期からの隊士なのだが、彼の周りにあまりいい噂は流れない。

大和屋という商人に言い掛かりをつけて新撰組の隊費を迫り、拒絶されるや大砲を持ち出して店ごと焼き払ったり、酒を飲んだ帰りに力士と道を譲る譲らないで口論になった挙句斬殺してしまったり、商家の女を手込めにしたり、とにかく粗暴の振る舞いが多い。

近藤と反目しあう事も多く、いつ新撰組内部での内乱が起きるかと隊士達は冷や汗の毎日だ。


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