粛清者-新撰組暗殺録-
終章
油小路で鈴木三樹三郎が残した言葉。

その言葉通り、時代の流れと共に新撰組もまた、崩壊の道を辿っていく。

新撰組から逃れて薩摩藩の庇護を受けた御陵衛士の残党は、慶応三年十二月十八日、二条城で軍議を終えて従者と共に伏見街道を帰っていた近藤勇を狙撃、右肩貫通の重傷を負わせる。

その後戦局は徐々に悪化、流山で近藤勇は唯一人、己の意思で官軍に投降し、慶応四年四月二十五日に斬首に処せられた。

その頃、既に新撰組はあってないに等しき状態。

永倉が近藤の処刑を、悔やみきれぬ様子で見ていたという逸話が残っている。

…近藤勇亡き後、新撰組は土方歳三が率いた。

北へ北へと転戦、明治二年五月十一日の函館戦争に於いて雌雄を決する決戦に参加するが、土方もまた銃弾で腹部を貫通され即死。

土方が逝くと同時に、新撰組もこの世から『消滅』した…。

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