粛清者-新撰組暗殺録-
そして斎藤一。

彼もまた新撰組として、壬生狼の集団崩壊の最期まで闘い続けた。

戊辰戦争で会津、仙台と転戦した後、一度は歴史の表舞台から姿を消すが、明治十年、明治維新が成立した後に薩摩で勃発した西南戦争に、警視庁抜刀隊として参加。

その頃には警部補、藤田五郎と名を変え、時尾とも結婚し、長男も誕生していた。




だが、その志は幕末の時と何ら変わりはしない。

如何に時代が変わろうと、如何に剣の時代が滅びようと、彼らは生涯侍であり、生涯『新撰組』である。

明治という時代はまだ、彼らに安息の日々を与えない。

それが彼らが剣客でなければならない、何よりの理由なのだから…。










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